卒後後期研修

プログラムの概略・特徴

コンセプト 「優れた臨床循環器専門医師養成を目指し、3年目専門修練において基本的な循環器科領域の知識・技術を修得し、 その後の関連病院における実地臨床研修、大学院における医学研究を通して臨床循環器内科の知識・技術をレベルアップしていく。」
対 象 2年間のスーパーローテート初期研修を修了した医師、またはそれ以後の医師
期 間 3年目から5年間〜8年間かけて行う(医師歴3年目〜10年目までを中心とする)。
実施施設 熊本大学医学部附属病院循環器内科を中心として関連病院とその他専門病院、留学等(施設リスト詳細は最後に記載する)。3年目は熊本大学医学部附属病院循環器内科にて行う。
指導医 各施設の経験豊富な循環器専門医が指導する。3年目大学病院では指導医とスーパーバイザーが指導する。
選択コース 大学院進学を希望するコースと関連病院勤務を継続して臨床研鑽するコースがある。

各自の都合に合わせて4〜7年目に大学院受験・進学となる(社会人大学院あり)。

取得資格

医師歴3年目終了時=内科認定医受験申請(大学病院での専門修練2月に提出)

医師歴4年目夏期=内科認定医試験受験 (7月)→ 内科認定医資格取得(4年目9月)

医師歴7年目終了時=循環器専門医受験申請(4月)

医師歴8年目夏期=循環器専門医受験 (8月)→ 循環器専門医資格取得(翌年4月)

医師歴6年目〜11年目:大学院にて研究:医学博士学位申請、取得

  *上記資格に加えて総合内科専門医、心血管インターベンション学会認定医・専門医、超音波専門医、ICD,CRT認定医、心臓リハビリテーション指導士、高血圧専門医、脈管専門医、動脈硬化専門医、ACLSインストラクター等が取得可能。

循環器内科専門修練の目標

一般目標

・患者の立場で医療を行い、研究的視野を持った優れた臨床循環器内科専門医師を養成する。

・循環器内科専門医として独立して診療出来る臨床能力を確立するため、多岐にわたる実践的臨床知識・技術・判断力を身につける。また、最新の知識を得て臨床に生かす技術を習得する。

・臨床医学に立脚した循環器内科分野の研究テーマを自己決定し、医学研究に積極的に取り組む。

・内科認定医、循環器専門医資格を取得する。総合内科専門医資格を取得する。

・大学院進学後に医学博士の学位を取得する。

具体的行動目標

 Ⅰ:主要循環器疾患の病態・診断・治療について実際の患者を担当し経験学習する。
[必修疾患]

(1).  虚血性心疾患-Ⅰ (労作性狭心症、冠攣縮性狭心症)

(2).  虚血性心疾患-Ⅱ (不安定狭心症)、-Ⅲ (急性心筋梗塞)

(3).  虚血性心疾患-Ⅳ (陳旧性心筋梗塞、虚血性心筋症)

(4).  心不全-Ⅰ (大動脈弁、僧帽弁弁膜症、虚血性心筋症)

(5).  心不全-Ⅱ (重症心不全、心原性ショック:集中管理が必要な症例)

(6).  心不全-Ⅲ (心筋症関連:拡張型心筋症、肥大型心筋症)

(7).  心不全-Ⅳ (両心室ペーシング適応となる症例)、心不全-Ⅴ (心タンポナーデ、拡張障害)

(8).  不整脈-Ⅰ (PSVT, WPW症候群,  AFL、心房細動等の頻脈性不整脈の症例)

(9).  不整脈-Ⅱ (徐脈性不整脈の症例、失神)、-Ⅲ (VT, Brugada, Vfの症例)

(10). 高血圧症-Ⅰ (本態性高血圧症)、-Ⅱ (二次性高血圧症)、-Ⅲ (高血圧性心臓病)

(11). 低血圧症 (起立性低血圧等)

(12). 末梢血管疾患・動脈疾患  (動脈硬化症、ASO、大動脈瘤、大動脈解離)

(13). 肺循環疾患 (肺塞栓症、肺高血圧症、慢性肺性心)

(14). 先天性心疾患 (ASD, VSDなど成人において見られる先天性心疾患)

(15). 炎症性疾患 (心筋炎、心外膜炎、血管炎、大動脈炎症候群)

(16). 感染性疾患 (感染性心内膜炎)

(17). 全身疾患に伴う心血管疾患 (甲状腺機能亢進・低下、糖尿病、腎不全、

膠原病、代謝性疾患、アミロイドーシス、脂質代謝異常など)

[非必修疾患]

*循環器内科専門医研修カリキュラムのB, C, D項目について可能な限り経験する。

Ⅱ:診断・検査手技として以下の項目について実践的に学習、修得する。

[必修診断・検査手技]        

(1). 身体所見診察(バイタルサイン)、聴診(心音、心雑音)、血管雑音聴取

(2). 胸部X線診断 、胸部CT、冠動脈CT、冠動脈MRI、胸部MRI

(3). 頭部MRI, MRA、血管CT angio, MRA

(4). 心電図(12誘導、モニター、Holter, 加算平均、ベクトル、運動負荷心電図)

(5). 電気生理学的検査、心音、心機図(心尖拍動図、頸動脈拍動図)

(6). 心エコー、血管エコー(頸動脈、下肢)、経食道心エコー

(7). 右心カテ(Swan-Ganz cathe, 心拍出量検査)、左心カテ、冠動脈造影

(8). アセチルコリン負荷試験、心筋生検、IVUS、観血的動静脈圧モニター

(9). 心臓核医学検査、 高血圧精密スクリーニング検査

(10).血液生化学的検査結果の判定・解釈、血ガス判定

    [非必修診断・検査手技]

          *循環器内科専門医研修カリキュラムのB, C, D項目について可能な限り経験する。

 Ⅲ:治療法として以下の項目について実践的に学習、修得する。

[必修治療法]        

(1). 最新のEBMを理解し実践する。

(2). 内服循環作動薬、血管内投与循環作動薬の適切な使用

(3). 救急処置(心肺蘇生、BLS, ACLS)、除細動器の適切使用

(4). 体外式心臓一時ペーシング、心嚢穿刺、ドレナージ

(5). IABP、恒久式ペースメーカー植え込み、PCI、 PTA

(6). IVC filter挿入・留置、IVC filter管理、ECOM, CHDF、PCPS

(7). 感染性心内膜炎に対する抗生剤治療

(8). 心臓リハビリテーション、酸素療法:HOTを含む、食事・生活指導

(9). 両心室ペーシング、植え込み型除細動器、 血栓溶解療法

   [非必修治療法]   

*    循環器内科専門医研修カリキュラムのB, C, D項目について可能な限り経験する。

具体的研修コース <研修の方略>

各コースの研修期間割を下表に示す。

研修

・基本的に3年目は大学病院循環器内科においてレジデントとして循環器内科における基本 的・必須事項について内科研修を行う。病態考察、診断、治療における一連のプロセスを学ぶ。
・3年目研修においては、大学病院循環器内科での専門修練希望者多数の場合、または強い外部研修希望 がある場合は外部関連施設循環器内科で研修を行う場合がある。(現在までは実績なし)

・3年目の時点で内科認定医資格申請に対する内科疾患不足の時は、大学病院の不足疾患担当の診療科病 棟と相談し共診主治医となることで症例不足を補い、3年目 2 月迄に内科全領域の症例を網羅し内科認 定医試験申請を行う。(過去の実績有り)

・4年目からは、上記各コースにそって大学院進学、または関連病院での研修継続となり日本循環器学会 循環器専門医資格取得を目指す。

・4年目以降の関連病院での研修内容は、各関連病院の特色を生かした独自のプログラムを採用する。

・4年目以降は適時大学院進学が可能であり、4年間の大学院期間終了時に医学博士資格取得を目指す。 *一般大学院生:循環器内科医局実験研究室、基礎研究室において主に基礎研究に従事する。

*社会人大学院生(医員大学院生):臨床医として病院勤務しながら臨床研究に従事する。後期(1〜 2年後)に基礎研究に専念も可能。

・8年目以降には、海外留学、国内留学希望者に対しては留学施設を積極的に紹介する。

・日本循環器学会循環器専門医資格を取得するには、内科認定医取得と日本循環器学会会員として3年以上の指定研修施設での研修履歴が必要である。(熊本大学関連病院はほとんどが循環器研修指定病院)

熊本大学循環器内科での週間スケジュール

研修2

年間予定

years2

[熊本大学循環器内科でのレジデント研修(3年目)の実際]

疾患病態を理解し理論にそった診断・治療計画作成と治療選択が出来ることを目的とする。 毎朝のカルテ回診では、簡潔な症例要約とポイントを絞った的確なプレゼンテーションの練習をする 毎朝、カルテ回診の前には、モニターチェック、患者診療を行い、データ整理をする。 熊本大学循環器内科での3年目研修では、同時期に 5 人程度の主治医となる。 重症患者の担当の際には、ICU、CCU での診療に携わる全ての医師と協力して診療にあたる。 入院患者診療では、臨床経験5年以上の指導医が同時に担当医となる。疾患担当は、まんべんなく循環器疾患を担当できるように考慮される。 急患患者は優先してジュニア・レジデントに主治医となってもらう。 患者診断・治療方針については、朝と夕方にカルテ回診、症例検討を行い、決定する。 診療業務は、病棟、外来、心カテ室、RI 検査室、中検心エコー室に分かれてローテーションしながら行う。 東京、大阪、福岡などで開催される研究会や勉強会には積極的に参加する(交通宿泊費補助あり)。 研究会、地方会など学会での報告・発表を行う。 当直、外勤外来にて一般内科や救急疾患の実地診療をする。大学当直は、6 月から開始する。

研修の評価

3年次専門修練が終了した時点で以下の項目を達成するように研修を行う。

狭心症の診断、治療方針を決定できる。

循環器治療薬について理解する。

動脈硬化症治療ガイドラインを理解し説明できる。

食事指導が出来る。

急性心筋梗塞患者の急性期管理と心臓リハビリテーションが施行できる。

急性心不全患者の急性期管理と薬剤治療について説明できる。

二次性高血圧の診断、高血圧性心臓病の診断治療が出来る。

心臓弁膜症(大動脈弁、僧帽弁)の手術適応を考えた治療選択が出来る

薬剤選択を含む治療計画が立てられる。抗不整脈薬の薬理を理解し説明できる。

不整脈のメカニズムを理解し治療方針を決定できる。

徐脈性不整脈に対する治療方針を理解しペースメーカー治療を理解する。

電気的除細動の手順を理解し施行できる。BLS, ACLS講習を受講する。

中心静脈を安全に確保できる。動脈穿刺で動脈ルートを確保できる。

心カテ後の圧迫止血操作が出来る。右心カテ・左心カテが安全に施行できる。

ペースメーカー助手として手術に参加する。皮膚縫合ができる。

体外式一時ペースメーカー挿入装着が出来る。挿管、人工呼吸器の管理が出来る。

IABPの管理が出来る。PCIの手順を理解し助手として治療に参加できる。

心嚢穿刺が出来る。IVC filter挿入、留置と術後管理が出来る。

心電図評価が出来る(12誘導心電図、Holter心電図、モニター心電図)。

電気生理学的検査を理解し検査結果を評価できる。

経胸壁、経食道心エコーが施行できる。Treadmill運動負荷試験が施行できる。

Hyperventilation試験が施行できる。胸部レントゲン所見が評価出来る。

冠動脈造影を判定できる。冠血流測定の意義とデータ評価が出来る。

心臓核医学検査が評価できる。

病状説明とインフォームドコンセントが出来る。

看護師や周囲の医療スタッフと連携したチーム医療が行える。

ポイントを押さえた簡潔、明瞭な患者情報プレゼンテーションが出来る。

研修実施責任者

研修実施責任者:辻田 賢一  研修指導責任者:(正)泉家 康宏

(副):山部 浩茂、掃本 誠治、海北 幸一、小島 淳、泉家 康宏、山本 英一郎、髙潮 征爾、末田 大輔、金澤 尚徳、花谷 信介、藤末 昂一郎

研修指導責任者

大嶋秀一(熊本中央)、中尾浩一(済生会熊本)、角田隆輔(熊本赤十字)、中村夏樹(新別府)、藤本和輝(熊本医療センター)、境野成次(天草地域医療センター)、松村敏幸(熊本労災)、三角郁夫(再春荘)、山本展誉(県立延岡)、下村英紀(福岡徳洲会)、平井信孝(熊本市医師会)、中村伸一 (人吉総合) 、田山信至 (熊本総合) 、梶原一郎(荒尾市民)水野雄二(熊本機能)、 柴田剛徳(宮崎市郡医師会)、辻田賢一(熊大)、山部浩茂(熊大:不整脈治療寄附講座)、掃本誠治(熊大)、海北幸一(熊大)、小島 淳(熊大)、山本英一郎(熊大)、泉家康宏(熊大)、髙潮征爾(熊大)、末田大輔(熊大)、金澤尚徳(熊大)、花谷信介(熊大)、藤末昂一郎(熊大)

関連施設及び当該施設学会認定状況   

(日本内科学会研修施設、日本循環器学会認定施設)

熊本大学医学部附属病院、済生会熊本病院、熊本中央病院、熊本赤十字病院、熊本市民病院 、熊本機能病院、国立熊本医療センター、熊本市医師会病院、熊本労災病院、熊本総合病院、福岡徳洲会病院、新別府病院、水俣市立医療センター、県立延岡病院、熊本市立植木病院、大牟田天領病院、熊本南病院、荒尾市民病院、天草地域医療センター、人吉総合病院、玉名中央病院、宮崎市郡医師会病院、くまもと森都総合病院

[国内外の大学院、その後の研究、留学実績]

国立循環器病研究センター、京都大学医学部大学院、東京大学医学部大学院、熊本大学生命科学研究部大学院(病理学、薬理学、生化学、発生学教室)、University of Massachusetts, Michigan University, Harvard University, Mayo Clinic,   Vanderbilt University, University of Vermont, Boston University, Columbia University (CRF),   Stanford University, John’s Hopkins University、その他

[熊本大学循環器内科でのレジデント研修の特徴・利点]

指導医が病棟に常駐し常時対応しきめ細やかな行き届いた指導・教育を行い充実した臨床研修が出来る。 充実したスタッフと共に、先進的な循環器内科医療を経験、実施できる。 多くの大学病院循環器内科専門スタッフと仕事が出来る(多くの循環器専門医の意見が聞ける)。 疾患病態を考慮してじっくりした診療と治療が出来る。毎朝のカンファレンスで指導を受けられる。 循環器疾患について、各分野幅広く患者を担当できる(虚血、心不全、高血圧、不整脈、代謝性疾患等)。 最新の知識を得ることが出来る。(中央での先進的セミナーへの参加、抄読会、モーニングセミナー) 学会発表や学会参加の機会が多い(循環器学会、心臓病学会、不整脈学会、AHA, ACC, CVIT 等)。 4年目以降の研修先の選択肢が多い。(5年目以降は関連病院スタッフとしての勤務も可能)

*熊本県下の主要病院循環器内科は、すべて熊本大学循環器内科関連病院である。 将来進路について、大学院進学、留学を含めた多岐にわたる選択肢がある。 熊本大学循環器内科同門会入会資格を取得。→ 多くの循環器内科専門諸先輩方との交流が可能となる。

[熊本大学循環器内科の年間臨床 activity:H27 年]

入院患者数:1069例    (緊急入院:199例)、 AMI入院数:71例、心カテ数:570例、   PCI例数:215例、EPS数:215例、アブレーション数:170例、 ペースメー    カー 新規:39例 交換:18例、ICD新規:31例 交換:11例、CRT-D新規:9例 交換:6例 ILR:1例 IABP使用数:22例、PCPS使用数:4例、ヘリ出動:13例、ドクターカー出動:39例、在院日数:12.8日、病床稼働率:88.3%、心エコー:10334例(外来を含む)、経食道心エコー:360例、外来受診患者数:17,151人

[熊本大学循環器内科 OB の勤務先(将来像)]

大学病院循環器内科教授(熊本大学、名古屋大学、弘前大学、山梨大学、慈恵医科大学) 大学病院循環器内科スタッフ(准教授、講師、助教)、医員、不整脈寄附講座(教授、准教授)、心血管治療 寄附講座(准教授、講師)、保健センター(准教授)、大学病院集中治療部(講師)大学病院中央検査部(助 教)、関連病院病院長、副院長、部長、スタッフ、レジデント、開業医、個人病院スタッフ、海外留学

<熊本大学循環器内科所属医師に対する現在の Clinical Needs:循環器疾患は増加している!>

関連病院からスタッフ待遇での循環器内科専門医派遣要請は 15 施設以上から来ている 各種検診機関から循環器内科専門医派遣要請がきている。 現在関連病院としてスタッフ派遣が無い、新たな公的病院から循環器内科専門医派遣要請がきている。 熊本県下の中規模〜大規模民間病院から循環器内科専門医派遣要請が多くある。 熊本県下の個人開業病院から外来診療支援のための循環器内科専門医派遣要請が数多くある。

連絡先(担当者)

izumiya@kumamoto-u.ac.jp [担当者:泉家 康宏 いずみややすひろ(医 局 長)]

医局へのお問い合わせはこちら TEL 096-373-5175 cvmhisho@kumamoto-u.ac.jp受付時間 9:00~17:00〒860-8556 熊本市中央区本荘1-1-1

PAGETOP
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.